「打ち上げ用意!」


「いよいよね。」

椿が呟く。

「皆さん、押しますか?

第一発目は皆さんで押してください。」


「せっかくだしな。」


小さなボタンに皆の指が集まる。

「何とか全員の指が乗りましたね。」


「発射、三秒前、

二…一、」

「「発射!」」


皆の声と共にボタンが押され、夜空には大輪の華がさいた。


それは小さな神話の終幕なのか、新たな神話の始まりなのか、


一瞬の花火に永遠があるかのように、

彼らは見つめる

一瞬の積み重ねの永遠

永遠を現す一瞬


神話はまだ続く


それは終わらない神の物語


主人公はハッピーエンドを夢見る神々




「さて、次はどんなファンタスティックなストーリーになるかな。

まぁ、俺がファンタスティックな奇跡を起こして何もかもをハッピーエンドにしてやるけどな。」




「最後にカッコつけるなんてね。」

「カッコよかったです。」

「まぁ、最後くらいいいですけど。」

「私の出番は少ないと思うのだが。」

「僕もなんか喋りたい!」

「私達って何か蚊帳の外じゃない?」

「そういう役回りも大切ですよ。

まぁ、僕は椿さんと一緒ならそれで充分です。」


「最後は皆でいきましょう」


「「「さぁ、新しいファンタスティックなストーリーを始めよう」」」




新時代神話