「幸大、私、これが良いわ。」

常盤が綿飴を手にとる。

「綿飴か。

ほらよ。」


お金を払って綿飴を買う。

「ほら、幸大、口をあけて。」

綿飴をちぎり、幸大に向ける。


「お前もかよ。」

呆れながら口を開ける。

「良いわよ、口を閉じて。」

口を閉じると、

「ふふふ。」

常盤の指をくわえてしまう。

「お前、わざとだろ。」

「たまには良いじゃない。」


「何が良いんだ?」


「幸大さん、私はあれが欲しいです!」


細工飴の方へ幸大の腕を引っ張る。

「へぇ、凄い細かいな。」

「私、この花が良いです。」


「いくらだ?」

「800円です。」


「技術力って高いな。


ほれ。」


「えっと、食べますか?」

「飴を?」

「その、…そうですよね。

やっぱり、良いです。」

「はぁ。

どこなら食って良いんだ?」

「えっ!?

あ、どこでも!

お願いします。」

「お願いされることでもないけどな。」


適当にかじる。


「では、わ、私も!」


幸大がかじった場所を震えながら慎重にかじった。


「花火会場に行ってみましょう?」