「待たせて悪かったわね。」

常盤の声に振り向く。

「「…。」」

二人が固まる。


「幸大、どうかしら?」

常盤がクルリと回る。

「その、似合いますか?」

楓がもじもじしながら訊く。

「惚れましたか?」

叶がポーズを決める。

「どうじゃ?」

風牙のどや顔。

「馬子にも衣装!」

ライカが胸を張って言う。


「ライカ、後で辞書でも引いてこい。



…。

まぁ、二時間半も待った甲斐はあった。」



「圭吾君、私は?」


「いつもの椿さんもキレイですが今日はさらに美しいですね。」



「幸大さんも圭吾さんのような気のきいた、歯の浮くセリフを言ってみてはどうですか?」


「ぜってー言わねぇ。」

「まぁ、私からすればいまさら、幸大に何を言っても無駄だと思うけど…」

「全員、似合ってるよ。」

「全員、と言うのがマイナスですが、かなりの進歩ですね。


では、行きましょう。」