「返してやろう!」

腕をこちら側に振り、二人が飛んでくる。


「無事か?」

「どうみても、無事じゃないって。」


「それよりも、幸大。

例のアレを。」


「ああ。」


幸大が指先を圭吾のナイフで切る。

血が出てくる。

「あむっ。」

風牙が幸大の指をくわえる。


「いい加減、離せ。」


「む。

いやしかし、これはなかなか、

癖になるではないか。」


「幸大、僕も、僕も!」

ライカが指をくわえる。

「もう十分だろ。」

「あと、2リットル。」


「殺す気か!


さてと、これで、俺達の勝ちは見えたな。」



「くっ!

何だ、この槍は!

なぜ、抜けない!」


「お前はやはり人間にはなれなかったんだな。


その槍は、ロンギヌスの槍。

神殺しが可能な槍だ。


正確には、神に近い存在。

キリストはその槍で殺された。


本物の神にはきかない。


つまり、だ。

貴様は神ではない。


そして、その槍は、人間にしか抜けない。


まぁ、元が人間の俺達は抜けるけどな。


つまり、人間でさえない。」


「くっ!

貴様!」


「さて、こっからは俺たちの、

ドラマティックでファンタスティクな闘いを、

始めようか。」