「だから、未来を告げるという意味の運命の宣告は認めない。


未来なんてのは一つの動作で変わるんだからな。」


「貴様の持論などはどうでもいい。

私は神だぞ?

神の宣告は絶対だ!」


一人の男が入ってくる。


「おや、取り込み中みたいだな。」

「龍道か。」

「龍道?

あの?」

椿が驚く。

「知り合いか?」

幸大が訊ねる。

「例の、浅黄さんも所属していた不良グループの一人です。

浅黄さんと同じく、あのグループのリーダー格です。」

圭吾が答える。


「貴様ら、生徒会じゃねぇか。」


「おい、龍道。

こいつらを始末しろ。」

ザキラが命令する。

「ああ。」


「圭吾、あいつの能力は?」


「獣化の補食系です。」

「補食系?」

「獣化のモデルが肉食つまり補食する側動物。

そして、補食した者の能力を得る。

浅黄さんのコピーに似た能力です。」


「消えな!」

獣化する。

狼に近い姿。

「狼男みたいだな。」


ヒュッ、

龍道が襲いかかる。

ガキンッ、

龍道の爪を防いだ獣。

その正体は、

「な!?

浅黄!

何でここにいるんだ!」

幸大が驚く。


「龍道をたまたま町で見かけてな。

後をつけたらここにいた。」