これ以上、死者を、常盤を愚弄するな!


「何だ?

火縄銃の火が消えた?」


「おい、城の火も消えたぞ!」

常盤姫。

お前は、この先もずっと生きていたいか?

『そう、ね。』

お前は、永遠の愛を、

神の寵愛を受ける気はあるか?

『永遠の?

…そうね。

貴方となら永遠にいたいわ。』


常盤、嘘偽りはないな?

『ええ。』


「化け物が人間に戻りやがった!?」


お前ら、全員、退け。

さもなければ、…死ぬぞ?

「にげろー!」


皆、いなくなったな。

『そうね。

私も、もう、時間かも。』

お前の時間は永遠だ。


そのお前の永遠の時間、永遠の人生、俺にも少し分けてくれるか?

『永遠に半分も何もないでしょ?
私の持つもので貴方が望むモノは全て、喜んで差し出すわ。』



常盤姫。

…好きだ。

『初めて言ってくれたわね。

私は前から言ってたのに。


…幸大、私も…』




「起きないのかしら?」

「…。

夢か、もう少し。」


「遅刻するわよ?」

「良い。」


「…まったく。


幸大、好・き・よ」


「なっ!?

おま、お前!?

朝から、何を!?」


「さぁ?

年だから忘れっぽくて。」


「へぇ、

常盤は不満があるんだよな?」

「えっ?」

常盤が振り向く。


「俺も…

好きだ。」

「なっ!?朝から、な、なななな、何を、」

「さて、朝飯にするか。」