VS風牙


「へぇ、古風な感じだね、刀なんか下げてさ。」

「貴様のように軽い男とはあまり口をききたくない。

さっさとかかって来ぬか。」

「君こそ、刀は抜かなくて良いの?

僕は優しいから刀を構えるまで待つけど?」

「口先だけの優しさなぞ、私には響かん、

口に出さずとも、優しく、尚且つ、それを隠そうとする殿方が好みでな。」

「俺みたいな良い奴の前で、他の男の話、

礼儀がなってないな〜。

俺が正してやるよ!!」

風牙に迫る、

ヒュパンッ、

「グハッ!」

「刀に手をかけたままの相手に正面から突っ込んでくるとは愚かな。」

「今、何が、」

スパッ、

両腕が切り落とされた。

「居合い。

刀の抜刀による、高速の一撃。


それをさらに加速させた、

名付けて
風雪居合い。」

「居合い、だと?

そんなちゃちな技で俺が?

ふざ…」

「ふざけるな、か?

一閃。」


スパッ、

「ガァッ!」

胸に裂け目ができる。

「くそがっ、

これならどうだ!」

大きめの石を投げながら走り込む。


「石が五つか。

五閃。」


スパパンッ、

石が切れる。

「だが、俺のことを忘れたか?」

「何も見えてないのか?」

いつの間にか刀を抜いていた。

「何!?」

「見えない斬撃の先にあるのは真打ち、

唯閃!」

フッ、

手が見えない速さで動く。

「な…に…」

「散れ。」

キンッ、

刀をおさめると、マンガみたいに敵がくずれさる。


敵は砂になり、風に吹かれ消えた。