涙で前がぼやける。

それでもバイクを走らせた。

家に帰る方じゃない道をただひたすら。


思い出せば思い出すほど苦しくなる。

だけど思い出したい。

あいつで俺の頭をいっぱいにしたい。








俺とあいつが出会った高校に着いた。

校舎も体育館も、何一つ変わっていなかった。



「マネージャー。」

頭を埋め尽くしていた言葉を声に出して言った。

不思議な気持ちになった。