彼女の通夜は今夜。

今、午前3時26分。

廊下に出ていた俺は、部屋に戻ろうとした。

部屋の目の前に来て、奥から彼女の両親の泣き声が聞こえたのでドアノブから手を離した。

俺はそのまま一旦家に帰ることにした。




駐輪場に置いていたバイクに乗って、病院を出た。

道路には人気が全くなかった。


その光景をみて、俺は急に胸が締め付けられ、独りになった気がした。

今やっと、あいつが亡くなったということを頭が認識したかのように。

涙は止まらなかった。