ギュッと目を閉じる。

しかし、痛みが襲ってこない。

あれ?そう思って目を開けると、男は倒れていた。

心臓から刀が突き出ている。

男の近くには、息を切らした晋作がいた。

「ハァッ……ハァッ……
梓!!大丈夫か!?」

晋作の姿を見たとたん、安堵からか全身の力が抜けた。

「晋作ぅ~……佐助が……死んじゃったよぉ~」

晋作はその言葉で初めて、佐助が血まみれで倒れているのに気づいた。

「私を庇って……刺されたの……。

佐助はね……

私の事が好きだったんだって……。

最期に私と接吻出来て良かったって……。

私は……私は全然良くないよ……?

私は……佐助と笑ってる時が一番楽しくて幸せだったんだよ!?

それなのに……
もう話す事も出来ないなんてっ……!!」

私の目からまた涙が溢れだした。