「諦めちゃダメ!!
佐助は死なないよ!!
まだ私と話したい事がたくさんあるんでしょ!?
日本に着いたら一緒に甘味を食べようって約束したじゃない!!」

佐助はフッと微笑むと



梓の唇にそっと口づけした。


そして次の瞬間、ゴホッと咳をして血を吐いた。

「あ………佐助……」

「最期に……梓と……接吻……出来て……良かった……」

「……何死ぬみたいな事言ってんのよ~…!!
死んじゃヤダよ~!!」

涙が止まらない。

私の涙が、佐助の顔をぬらしていく……。

「…梓…笑ってよ……。
梓……だって……笑顔……が……似合う……んだ……か……ら……」

佐助の呼吸が少なくなってきた。

私はごしごし着物の裾で涙をふくと、無理やりニコッと笑った。

多分、いや……絶対に酷い顔になっている。