ん?と疑問に思っていると今度は佐助の方から抱きしめてきた。

「えっ? 佐助!?」

佐助は力を緩めるどころか逆に強くしている。

「えっ? えっ?」

あたふたしている私をよそに佐助は話し始めた。

「僕ね、梓の事が……」

その時、いきなり扉が開いた。

誰かが私に向かって走ってくる。

「覚悟ォォォ~~!」



グサッ……。



「………………え?」

肉を切り裂く音がした。
嫌な臭いが辺りに充満する。

「なっ!?何故お前が!?」

そんな焦りの声が聞こえて、やっと現状が理解できた。

佐助のお腹には刀が刺さっている。

「あ……さ……すけ?」

佐助は崩れるように、私に寄りかかってきた。

「佐助!キャッ……!」

佐助を支えようとしたら私の手に大量の血がついた。

「佐助!!しっかりして!!死んじゃヤダ!!」

私は必死に叫ぶけど、佐助はヒューヒューと息をするので精一杯みたいだ。

視線も定まっていない。