晋作の目はまっすぐ前を向いていて、決意の強さが現れていた。

そんな晋作を見た松原は何も言えなくなった。

「……けが、するんじゃないよ」

ただ、一言だけそう言うと晋作に背を向けて歩きだした。

晋作は、ああ……と呟くと松原とは逆の方に歩きだした。





その頃、梓たちは……

「なんでこんな事するの?佐助……」

「復讐のためだよ」

「復讐なんて意味がないのに……?」

「君にはわからないよ。
大切な人を失う気持ちなんて」

目を覚ました梓と佐助はピリピリした緊張感の中向き合いながら話していた。

「……私だって大切な人を失った事があるよ?」

「だけど……君はその人の最期を見たの?」

……確かに私はお父さんの最期を見なかった。

気がつけばお父さんはいなくなってて……いつの間にかお葬式も終わってた。