ビュオオー……。

冷たい風が体にあたる。

ビュオオー……。

ビュオオー……。



…何かがおかしい……。

あのビルがいくら高かったとはいえ、せいぜい二十階程度だ。

普通なら、もう落ちて息をしていないはず―……。

それなのに、飛び降りてから数十秒はたっている。

―……なんでまだ落ちないの?

疑問に思いながら、周りの様子を見るために目を開けた。

すると、目の前には……



真っ青な海が広がっていた。

私はそれに向かって落ちている。