「織花ッ!!?今まで何してんだよッ!!!!?」
ビクッと肩が上がる。
この声って・・・、ホントに秋・・・?
こんなに、余裕ない声初めて聞いた・・・。
「あ、そ。ゴメン、怒鳴ったりして。・・・・うん。・・・・・そっか、今日家行っていい?・・・・うん、じゃあいつもの時間に。・・・・・・・・・・・うん、いや、でも、・・・は?もう?・・・・そっか、じゃあ、仕事頑張って。・・・・・・うん、また夜に。」
電話が終わったらしくコッチに歩いてくる。
「どっ、どうする?」
「コッチ来いっ!」
社会の資料室にサッと入り込む。
秋が通り過ぎたのを確認して大きくため息。
「もう吃驚したあ・・・、ねえ、あれホントに秋・・・・?」
「確かに、思ったよそれ。家とか夜とか、なんかエロいよねえ。」
「・・・エロ達也が。」
「うるせえなあ。」
「でも、うん、秋は好きなんだねえ、彼女のこと。」
織花さんって言ってたっけ?
「彼女が好きって気持ち大きいからさ、裏切られたらショックでかいんだろーな・・・。でも、秋が信じてるからなあ・・・。」
「結婚とか、するのかな?」
「は?なにいきなり・・・・。」
「呼んでくれるのかな?」
「そりゃ、俺は絶対な。」
「いや、あたしも呼ぶでしょ、普通。」
「さあ?」
もーっと怒りながらも、
胸の奥の方に何かが無くなったような喪失感で胸がいっぱいになっていた。
「お前さあ、泣きたいんなら泣けば?」
「っへ?」
「泣きそうな顔して笑われても気持ち悪いだけだし。」
「・・・っ達也~~~!!」
やっぱり、どんなに軽い好きでも、ううん、ホントはめちゃくちゃ好きだった。
好きの気持ちでこんなに苦しくなるとは思わなかった。