どこか観念したような
声に、あたしはビックリ
して彼の横顔を見つめる。




折原さんはそんなあたしを
チラッと横目で見て、
照れ臭そうに笑うと、




「いつかは言わなきゃと
思ってたし、こうなったら
言うよ。


ホントはオレ、受験が
終わった後、引っ越したんだ。

今の家は××区」




「××区っ!?

え、ゼンゼン方向ちがっ……!?」




「うん。

まぁあの図書館は大学に
行く線の途中駅だから、
平日はホントに便利で
利用してるんだけどね。


だけど、土日や夏休みに
使うのはさすがに不自然だろ。

だから、引っ越したこと
言えなくて……」



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