彼はまだ苦しい息を
しながらも、かすかに
首をかしげて、



「桃野さんのせいって……
なんで?

オレが……遅れたんじゃないか。


ホントにゴメンッ。

○△線が、事故で
止まっちゃって……」




「……………え?」




事故で……止まった?




…………電車が止まって
たってこと?





「そ、それじゃ、今初めて
来たんですか……!?」




「うん。本当にゴメン。

何度も電話したんだけど、
桃野さんの携帯、
つながんなくて……」




「……………!!

あ、えっとあのっ。

これは昨日、ト――水に
落として、壊れてっ」



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