僕はじっと様子をうかがった。黒いピカピカの車はエンジン音とともにじっとしている。俺はただの黒いピカピカの塊なんかじゃない、と主張しているようだった。
僕は待った。もしかしたら、ユウタがそこから降りてくるかもしれない。だけど、誰が降りてくる気配も無かった。僕は立ち上がり、車へと歩み寄る。車体が眩し過ぎて目を細める。