「判らない。僕には名前がないんだ」
言った後もよく考えてみるけれど、それしか答えは浮かばないので深く頷く。
「ウヒョ! あんたもかい。名前がないってのはさぁ、寂しいもんだよねぇ。ねぇねぇ。…まぁ、いいやぁ! じゃああんた、付いて来な。旦那はここでゆっくりしときな」
ユウタは既に寝息をたてていた。