藁で作られたその「家」は、とても小さなものだった。大人の人間ならまず入れないだろうな、と思った。ここにたどり着いた時にも、すぐにはその存在に気付かなかったぐらいだ。樹木の葉やツルにまとわれて、その家は静かに佇んでいた。まるで息を殺して隠れているように。