その頃にはすっかり朝と判る朝がやって来ている。
朝もやの中をハムスターはピョンピョンと跳ねながら進む。歩き始めて一時間は経っていた。小さな彼にはたくさんの樹木など関係ない。それに比べて僕たちは、木や草をかき分けながら少しずつ前進する。ユウタもその大きさのわりに、器用に進むから僕だけが遅れをとる。