「あの…」僕は言う。
「僕の名前はユウタです。…それで…黒い大きな犬さん、あなたのお名前は?」
彼の黄色い目は光っているように見えた。僕等を包む、車内の空気が少しだけ濃度を濃くする。僕は緊張している。胸の鼓動が確かに聞こえる。