「坊や、来てはいけない。君はきっとあらゆることに失望するだろう」
僕は立ち止まる。
「これは罠だ。君は今すぐ引き返すんだ。外で黒いピカピカの車が待っている」
僕は目を閉じる。はっきりと、頭の中でユウタの声が響く。僕は声に出す。
「でも…僕はそこに行かなくちゃ。ユウタ、君もそこにいたくなんてないんだろう? したくもないことをやらされてるんだろう? 僕が助けてやる」