右と左に分かれた道。僕はそれを前にして適当な岩に座り込む。正直に言って、さっぱり判らなかった。どちらに進めばいいのか。行き着く場所に何があるのか。ここまで僕を一気に歩かせ続けた(現実的にも、メタファーとしても)「何か」が少しずつ萎んで行くのが感じられた。これ以上は無理だよ、と僕は僕に言ってみる。
静寂を見ている。僕はもう歩けない。