目が覚めたのは、深夜の3時を少し過ぎたあたりである。


気配を感じたのである。


不確かではあるが、ユックリと近ずいてくる、車のタイヤが砂利の上を走る音がしたのである。


そっと窓のカーテンの隙間から覗くと、ライトを消した車が俺の居る棟に向って来ているのである。


俺は速やかに天井の荷物を取り出し、裏側の窓を静かに開きそこから脱出した。


そして裏手に置いてあった車に荷物を放り込み、キーを差し込んで一気にエンジンを掛けて向ってくる車の横を摺り抜けて行った。


車は、いきなりライトをつけてUターンをして追いかけて来た。


間違いなくピアットの手下達である。


俺は出来る限り射程距離に入らないように車を走らせた。


途中、細い山道に差し掛かった所で左に折れて車を隠した。


その前を通り過ぎていった車を、今度は私が後ろから追いかけるようなかたちを取った。


奴等は慌てて止まろうとしたので、窓からS&Wの弾をお見舞いした。


見事に後輪に命中した。


ケツを振りながら、右へ左へ流れて行くテールを見ながら、速度を落として追突を避けた。


転倒した車の中から3人の男達が転がり出てきて、打ち返そうとしてきたが、その前に永遠の眠りに着いてもらった。