「雪の花か」「ええ雪の花」

「後どれくらいですか?」「もう家は近いわ」

とつとつと歩く・・・・・・・・・・・・・・・ひんやりした空気があたり一面を覆っていた。

「つきましたわよ」「ええ」

そういい終わると雪野はガラッと玄関をあけた「お母さんただいま」「ようきたね遠くから」「うん」「疲れた」「この人は?」「雑誌の編集者」

「雑誌?」「ええ、旅行雑誌の編集の人列車で仲良くなってそれでよかったら家にきませんかって」「へえ」「よう来ておくれました」「雑誌の編集ね」「小さい出版社なんですが雑誌の編集をしてます」

雪野は奥へ入っていった、「あがってください」「ええ」

玄関を入ると香のにおいがしていた中でお香でもたいているのか?

「いい香りですね」「何のにおいですか」「お香たいてるの」「お香ですか?」「そうお香」

勝手口を通って客間に通されたソファがあって大理石のテーブルがあった、函館でも由緒正しい家柄なのだろうか?

立派な掛け軸とその前に一輪花がいけてあった。