何も持たずに

スエットのまま外にでる



怒った顔でバイクにまたがったまま

タバコを吸う啓太がいた




「ちょっとタバコ吸わしてな…」


少し落ち着いたのか

電話ほど怒っていない声で啓太が言う



わたしはなにも言わずに

バイクの近くにしゃがみこむ



「よっしゃ、おまたせ。

後ろ乗れや」