電気を消して


手探りでしかお互いを把握できない。



まだ乾ききってない私の髪が彼の胸にあたって、じんわり温かくなっていく。


彼に抱き寄せられて目を閉じると


そこは『時間』なんて無い世界だった。



秒針の代わりに聞こえてくる彼の心音は


どんな子守歌よりも優しく温かい。