「辺見さん、悪いけどこれ3階の事務室に持ってって。」 「えっ?」 突然、手渡された段ボールの重さによろめくと いつもの嫌味な声が聞こえてくる。 「あらあら、辺見さんくらい華奢だとその段ボールは重たいかしらね。」 華奢? 誰が? 私が? 今だかつて『華奢』だなんて言われた事なんてない。 誰がどう私を見ても『華奢』なんて言葉が浮かぶ人なんているわけがないくらい。