これが辛い関係だと言ったら、私はどんなに悲劇のヒロインなのかな。
辛いのは、彼と連絡が取れない時だけ。
彼女さんの存在は、別に気にしていない。
よっぽど、彼女さんが可哀相だ。8年も付き合った相手が、年下の女の子とデートの約束をしているのだから。

これで5回目のデート。
彼女はこの数字を知らない。私は彼女の年齢も交際期間も、下着を買う店さえ知っている。優位なのは私の方。でも、勝つつもりもない。


メール作成画面の打ちかけの文を読み直す。

『今日、会うの止めようかな?なんか、気が乗らない…』

未送信のまま、手の中でぼやけていく。
会いたくない気持ちが、薄まっていく。