信じられない言葉を聞いた…
理解に苦しむ私。
歩さんの一言で、私の頭が思考出来なくなった。


『百合ちゃん…この事は言っていけなかった事かもしれない。でも…優は百合ちゃんを愛しているよ。産まれた時、すごく嬉しそうだったから』


『パパ…の愛していた人は…今どこにいるんですか…?』



知りたかったはずなのに、いざ聞いてしまったら…怖くなってしまった。でも聞かなくちゃ…


『…聞いて…百合ちゃんは…理解出来るかな…納得出来る?』


すると沙紀さんが会話の中に入る。


『…出来ます…教えて下さい…私パパの事知りたいんです…逃げずに聞きます』


『そっか…その人はね、今空の上にいるよ』



『空の上…?』



また…理解が出来ない言葉を聞かされた─…


『そうだよ。優を一人この世界に残して、消えてしまったんだ…』



『う…そ…ですよね?パパは…何故…愛していた人の名前を私に付けたの?それで…ママは許したの?普通…許さないよ…パパはそれで良かったの…』



『優には…その人の存在が大きかったんだ。
夢を与えてくれた人だからね…』



『パパの愛していた人の名前は?』



『…小林百合だよ…』