『夏休みかー…』


『百合?』


『することない~』


これが私から出た答え。


私はあまり夏が好きではない。


暑くて外へと出るのが嫌だからだ。



『何やそれ!百合!プール行こうや!プール!』



『え~!』



『うちプール好きやでさ!』



『疾風君と行けばいいじゃん~』



『疾風はプール嫌ねんて…ね!行こ!』



『うん…いいよ~!仕方ないなぁ…』


私はゆかの提案に賛成をした。


ゆかと夏休みにプールという約束をした。



『あっちぃ…』


制服のカッターシャツをパタパタとして廊下を歩いている光輝を見つけた。


光輝とは、一回も会話をしていない。


あの放課後から。



目は何回か合うものの、
会話は出来なかった。



私を見る光輝の顔は、
何だかすごく後悔しているみたいだった。



光輝と話がしたいのに、
なかなか出来なくて、


このまま夏休みに入ってしまいそうだった。