『修君!待った?って待ったよね…ごめんね?』
私は校門の前に待っていた修君に謝る。
すると修君は私の顔を見た瞬間、こんな言葉を漏らした。
『百合…目…』
『え?何?』
修君は前と変わらない笑顔で私を見てくれた。
きっと気を使わしたのだろう…
『百合、どこいく?』
『…どっかで話そっか…』
私達は学校の近くの公園へと向かった。
誰もいない公園は、どこか寂しそうで…
私の心を表しているようだった。
『…百合?元気だった?』
『うっうん、元気元気…』
『そっか…』
『うん…』
私達の会話はあまり続かなかった。
修君が悪いんじゃない。私が悪いんだ。
私の心が弱いんだ。
『あー!』
すると修君がいきなり声を張り上げた。
びっくりする私。
『なっ何?』
『もうダメ!光輝の言葉が離れねぇ!』
頭を抱えて何かに苦しめられている修君。
『え…?光輝?』
『あぁ…百合が来る前にさ、光輝に会ったんだ。そしたらあいつ、《百合を泣かした》って言うんだよ。それで百合が来たら、光輝の言った通り、百合、泣いたみたいだし…』
『光輝が…そんな事…』
知らなかった。
光輝は私のことを心配してくれていたの?
『光輝になんか言われたんだろ?』
『…うん…でも大丈夫!ムカついただけ!』
修君はどこまでも私に優しかった。
でもね、私の傷を癒やすのは…修君じゃないの。