『何よ…光輝のバカ』


自然と涙が溢れる。
傷付いた。
光輝の言葉で気付いた私の心。
もう治らないくらい、ズタズタに傷付いた心。

癒えることはもうないの?


『バカ…バカ…バカ…』


トイレの鏡に写る私の泣き顔。
次々に流れる私の涙。


『光輝は…私の事なんかどうでもいいんだもんね。私の事…好きになってくれないもんね…はぁ…』


私は暫く静かなトイレで一人寂しく泣いた。


~♪


するとポケットの中にあった携帯が震えだす。
私は携帯を取り出し、開いてみる。


『…だれぇ…』


涙はまだ流れたまま。
液晶画面に《修君》と出ていた。


『あっ…会うんだった…怒ってるかな…修君…』

私は通話ボタンを押して、耳を澄ませる。

『は…い』


『百合?今どこ?俺校門の前にいるけど…』


『…うん、今から行くね…ごめんね!』



『うん、待ってるな』



修君はすごく優しくしてくれる。
ズタズタになった私の心を癒してくれるかな…
私は急いで教室に戻り、鞄を取りに行った。
教室には案の定光輝の姿はなかった。