『どうしたの~?』
『百合、親父に会いたいって言ってたじゃん?
終了式終わった後、親父が家にいるから来いよ!』
『あっ本当に?嬉しい!絶対行く!』
『じゃあ空けといてな。じゃあな!』
『じゃあね!』
タクミ君は用件を済ませると、自分の教室に戻って行った。
『…聞けるかな…』
不安しながらも、私は再び教室へと戻る。
『あっちぃ…』
隣の光輝は、まだ暑さと戦っていた。
『なぁ、百合!』
『ん?』
すると扇ぐのをやめた光輝が瞳を輝かせ、私に話しかけてきた。
『修とはどうなったんだよ?』
修君とは、連絡を頻繁に取っているが、あれからは会ってはいない。
修君と私の高校が離れているせいか、なかなか会えないのだ。
『全然会ってない!』
『そうなん?会えば?』
『ん~…修君忙しいでしょ?』
『さぁ?会いたいって言ってたけど?』
『ふぅ~ん。じゃあまた会いたいなぁ…』
私の言葉を聞いた光輝は、また悲しい瞳を見せた。
あの、悲しい瞳。
なにかを考えているような…。
あなたは何を考えているの?