『百合は平気なん?』
突然ゆかが私に聞いてきた。
私はその言葉に戸惑うことなく答えを言う。
『うん!平気だよ!』
でもこれは嘘の答え。
平気と言ったら嘘になる。
でも平気じゃないと言っても嘘なる。
私は私自身の気持ちがよく分からなくなってしまった。
告白という大きな賭けに、負けてしまったが、
すごい清々しい気持ちなんだ。
―キーンコーンカーンコーン…
この音と共に担任の先生が教室に入ってきた。
『席に着けー』
その言葉従う生徒たち。
『今日の欠席は、光輝だけだな…あとはいるよな?』
…今日光輝が休み?
光輝の席には誰もいない。
毎日当たり前のように隣にいた光輝の姿がないと、急に寂しくなる。
『何でだろ…昨日の告白のせいかな?』
私は勝手に光輝が休んだのを私のせいだと思ってしまった。
『…大丈夫かな』
光輝に会いたくなった。光輝の笑顔が見たくなった。
まだ私は諦めてないから。
叶うと信じてるから。
『今日…会えるかな…あの秘密の場所に行けば…』
私は今日夕方、秘密の場所へと行く事にした。
光輝がもしかしたらいるかという小さな望みを抱えて。