『行ってきます!』


『気を付けてね!』


私は笑顔で家を出ていった。



今の私は笑顔でいるだけで精一杯なんだ。
もし笑顔をやめてしまったら、笑顔から泣き顔に変わってしまうから。


私は笑顔でいなくてはならない。

バス停に着くと、未紗は居なかった。


携帯を開くと同時に、メールが受信された。
差出人は未紗からだ。


《今日先に行ってて!未紗》


『未紗は…遅刻…かな』

私は一人で登校するのは、あまり好きではないが、一人でバスに乗り、学校へと向かった。


『おはよ~』
『おはよ~昨日のさ~!』


教室に着くと、みんなの笑い声や、話し声が飛び交っていた。


『百合!おはよ!』

今日もゆかは元気。

光輝は…まだ来ていなかった。


『ゆか!私ね…光輝にちゃんと言ったよ!』


『告白…?』


『うん!』



『どうやった!?』


ゆかは目を輝かせて私を見た。

私は小さく指でバツを作る。

それをみたゆかは寂しい顔をした。


『でも!私は後悔なんてしてないよ!安心してよ!ね?』


私はゆかに最高の笑顔を見せた。