『大丈夫…だよ。後悔なんてしてない…大丈夫…』


『百合…我慢しなくていいんだよ?泣きたい時に泣けばいい。泣いた分、笑いな?』


『パパ…』


パパの話を聞いて、涙する私。
パパはいつも優しい笑顔で私を安心させてくれた。


『パパ…叶うと思うから叶うんだよね?
私ね…まだ信じるよ…
この恋まだ終わってないから…私が好きなら…この恋は終わってないよね?だから…まだ信じてもいいよね…?』


『あぁ…信じてれば必ず叶うよ。百合には幸せになって欲しいからね』


パパは私の頭を軽く撫で、そっと抱きしめてくれた。

『ありがとう…パパ…
ねぇパパ?パパは昔どんな恋してたの?』


『え…?』


一瞬だけパパの動きが止まった。
でもほんの一瞬だけで、パパはすぐ笑顔になった。

『百合にはまだ早いよ。また今度な…』


パパは私にこう残して部屋を出ていった。


パパは私に昔の話を話してくれない。


『パパ…パパは…誰を好きなの?』



静かな部屋で、私は小さく声に出して言った。