『ここだよ…百合…』


家に帰ってから、すぐに私はパパに百合さんが眠っている場所へ連れてきてもらった。


『百合さん…』


百合さんのお墓は、お花がたくさんあって、綺麗だった。


『線香をあげようか…』


『うん…』


パパが線香に火をつける。


火がつくと、たちまち、線香の匂いが広がる。


私は手を合わせた。


そして目を閉じ──…



『百合さん…ありがとう…パパね?まだ百合さんの事愛してるみたい。
これは内緒ね?
私…百合さんのように、一人の人を最後まで愛したい…
見ててね、百合さん…』


私はこう心の中で思うと、ゆっくりと目を開けた。


『百合さん…ありがとう…』



『行こうか…』


『うん!』


私とパパは百合さんの、お墓から離れていった。


『ねぇパパ?』


『何?』


『今幸せ?』


『かなり幸せ…』


ほら?聞こえた?


パパ…今幸せだって──…

百合さん…泣かないで…

笑ってね。