『百合にも必ず運命の人がいるよ。きっとね…』
『もう…運命の人現れてるよ──…ねぇ、パパ?私いつ退院出来るかな?』
『先生が、気が付いたら退院出来るって言っていたよ。だから今日にでも退院出来るんじゃないかな?』
『パパ連れていって欲しい場所があるの…』
『どこ?』
『百合さんが眠っている場所…お礼言いたいんだ。私を助けてくれたから…』
『あぁ…いいよ、二人で行こうな…』
『約束ね?』
『あぁ…約束だ…』
私は再び目を閉じ、眠りについた。
今日見た夢は、あまり覚えていないが、素敵な夢だったにちがいないだろう───…
───…
『パパ、ママ、楓!心配かけてごめんなさい!もう飛び出したりしません!』
病院から帰る車での会話。
『本当に心配したわ!
パパもパパよ!百合が目覚めたなら電話くらいしてよ!』
『百合と話をしてたんだ。な?百合!』
『うん!』
私は後部座席からパパとママを見た。
この二人は運命で結ばれている。
そう思うと──…
何だか嬉しくなる。
私もいつか、運命の人と、パパとママのようになれるかな?