僕は今、病院にいる。

何故かハラハラと焦りながら、僕は待っていた。


──オギャー…


病院内に響いた産声。

赤いランプが消え、
中から先生が出てきた。


『先生…笑は…』



『3200グラムの女の子です。母子共に健康ですよ』


先生の言葉で、一気に肩の力が抜ける。


そう、僕と笑の間に、新しい命が誕生したのだ。

3200グラムの女の子。


『先生ありがとうございます!笑に会えますか?』


『どうぞ、お入りください』


僕は中へと案内される。

『優…』


疲れ果てた笑はぐったりとしていた。


『頑張ったな…笑。
これからは3人で楽しく暮らそうな…』


笑はコクンと頷いた。


僕は幸せに満ちていた。

笑の体が安心するまで、僕と笑と赤ちゃんが3人揃うまで少しだけ時間がかかった。


僕はある人に報告をしに向かう。


秘密の場所──…


『百合…僕に子供が産まれたよ。小さくて可愛かった…今日は素敵な日になりそうだよ…百合?今度見せてあげるね…』