静かな部屋に響く私の微かな声。
その静かな部屋は、
見たことのない部屋だった。


『こ…こどこ?』


『百合…気付いたのか…良かった…ここは病院だ…』


『病…院?なっなんで…私が病院にいるの?
あっ私…光輝と約束あるんだった…私…』



起き上がろうとすると、パパが私の肩を掴み、もう一度寝かせた。


『百合…落ち着きなさい…百合は…事故にあったんだ…』


『事故?』


あの時の事を思いだそうとすると、頭が痛くなる。


『百合が飛び出したらしくてね、車とぶつかったんだ。覚えてないか?』


『全然…覚えてない…』


『そうか…百合、3日間くらい眠ったままだったからな…でも外傷はほとんどないみたいだ。安心しなさい』



『そっか…ねぇ…パパ?
光輝…来てくれた?』



『あぁ…光輝君、毎日来てるよ、面会時間ギリギリまで…』



『…光輝との約束行けなかったから…』



『そうか…』



『ねぇパパ?』



『うん?』



『百合さんの事…今も愛してる?』



『百合…?』