『あなたには生きてほしい。大好きなモノを守ってほしい…優君を幸せにしてほしい…私はずっと…見守っているから…』
『…百合さん…』
彼女は私の手を引っ張っり、走り出した。
次第に、真っ白な世界に、どんどん色が出てくる。
『この道を真っ直ぐ光のある方へと進んで…』
『でも…百合さん…』
『私は大丈夫。私は幸せだったから…優君に会えて幸せだった。遠回りしたけど…たくさん人を傷つけたけど、必ずその先には幸せが待っているから…
そう信じて生きて…あなたなら出来るわよ…だって優君の子供だもの…
約束して?幸せになるって…』
『百合さん…私…絶対幸せになるから…見てて…』
『ほら!早く行きなって!じゃあね、またね…
あなたに会えて良かった…』
彼女は私の背中を強く押した。
私は一歩ずつ歩いていく。
ありがとう…百合さん…
その道の先に…光が溢れている。
あと少し…
あと…少し…
ゆっくり目を開けると、真っ白だった世界から、いくつかの色がある世界へと変わっていた。
『パ…パ?』