『私は…優君を幸せに出来たかな…私は…優君を一人にしてしまったから…すごく…後悔している。後悔したってもう遅いのに…会えないのに…
でも思い出してしまう…会える時に…いっぱい、何かをしとけば良かった…』
『パパは…百合さんと会えて幸せだよ…
ちゃんとパパは、百合さんとの約束を守った…
パパは百合さんがいない現実から逃げずに、約束を守った。それは…愛していたから…いや…愛しているから出来た事だと思うの…』
知らない間に、私の目からも涙を流していた。
ゆっくりだけど、どこか速い。
自分でもよくわからない涙だ。
『…優君…あなたに会えて私は幸せ…だった。もう二度と会えないけど…でも…思い出を辿れば会う事が出来る…それだけで私は十分だよ…』
彼女は大きな瞳から涙を流しつつも、笑顔を絶やさない。
この人は、強い人。
そう彼女を見て思った。
『あなたには…まだこの世界は早いわ…帰りなさい…優君と愛している人の元へ…』
『え…』