あの日、蕪城先生と―――
「なんだ?赤城」
『………全部、クリスマスの日に終わるんです』
クリスマス。
胡桃坂さんに声を掛けられたことを、そういえばこの時に思い出していた。
…誘われた、どころか。
“うふふ、赤城さんに拒否権など元よりございませんけど。
わたくしがわざわざ言っているんです、来ないはずがありませんよね?
…当日は楽しいイベントもご用意していますわ。
では、心よりお待ちしてます。”
『(率直に“来なきゃバラす”とか言えばいいのに…)』
自嘲気味に一つ笑みを零し、あたしは蕪城先生に視線を戻した。
先生はクリスマス、という単語からパーティーに結び付けることに成功したのか。
「……クリスマス、な。りょーかい。んじゃ全部片付いたら、クリスマスケーキでも食いに行くか」
いつもみたいに。
先生が優しく笑い掛けたり、するから。
不意に泣きたくなった。