中等部―――2年生。
「ひぃいい!あああ艷倉様よ…!」
「去年より炎王寺様との仲が悪化されてる…!なにがあったのかしら!?」
「ちょ、ちょっとあなた!このわたくし、胡桃坂 絵理子より目立つなんて許せませんわ!」
「くっ、胡桃坂さんんん!」
目立つ?
そんなこと知りませんわ。
私はただ、炎王寺繭より下にはなりたくないだけ…!
「あら、胡桃坂さん。言い掛かりはよしてください、目立ってなどいませんわ」
「なっ…!」
「それに…人の視線など、眼中にもございませんわ」
「っ!み、見てらっしゃい!絶対に抜いてやるわ!」
ああ、馬鹿馬鹿しい。
「えええ炎王寺様よ…!」
「ひぃ…!去年よりも艷倉様との争い方が激しくなってらっしゃる…!」
「なにが2人をそんなに仲違いさせているの!?」
…なにが、ですか。
私にもわかりかねますが……ただ、艷倉華苗には負けたくないんですの。
ふふふ、こんな感情は初めてです。
「…とまぁ、平行線な関係がその後も1年間続いたんです」
中3は省略された!!
まぁでも確かに、また悪化しただけなんだろうけど…。
繭はあたしの視線を感じて、何故か恥ずかしそうに目を伏せた。
「今、私たちがこうしていられるのも……春姫、あなたのお陰なんです」
あ、あたし!?
なにしたの…っ!?