…バチバチと散ったのは、火花か。
『次の授業までには、終わらせてくださいますか?』
満面の笑顔を貼り付けて見返すと、胡桃坂さんはひくりと頬を引き攣らせた。
胡桃坂さんの取り巻きの女子が、びくびくしながらこちらを見守っている。
……そんなに怖いの、この人?
「だ…誰も呼び出しだなんて、申していませんわ!これをお受け取りくださいませ!」
バンッと机に叩きつけられたのは、真っ白い封筒だった。
宛名もなにもなければ、封すらしていない。
どうも中に入っているのは便箋だけではないらしく、不自然に封筒が膨らんでいた。
『………これを、私に?』
てっきりどこかに呼び出されて“わたくしに逆らったことを地獄で後悔なさい!”みたいな展開になるのかと思ったら…。
気の抜けた私の顔を見て、胡桃坂さんは不敵に唇を歪めた。
瞳にはあからさまな嘲笑が込められており、私はたちまち視線から逃げるように顔を背けた。
「詳しいことは読めばわかります。………楽しみに、してますわ」
意味ありげな一言を残し、胡桃坂さんはさっさと踵を返していった。