「はぁ……素敵ですわぁ、蕪城先生…」
「さすがですわね、ああもうカッコいいですわぁ…」
『そこなのっ!?……ですわ』
周りの目があることを思い出し、慌てて語尾に“ですわ”をつけた。
若干手遅れだったらしく、華苗と繭が小さく笑っていた。
「でも、きゅんときたのでしょう?」
「ときめいてしまったのでしょう?」
あんたたちは双子か!
思わずつっこんでしまうくらい、息がぴったりだった。
『(まさか、素でいられる日が来るとはね…)』
あたしは今まで、2人といる時は隠し事をしていたから少し苦しかったけど…。
全て包み隠さず話した今、これ以上ないほどに安心してる。
……ほんとに、話して良かった。
『………ま、まあね…ですわ』
4日前くらいは散々、蕪城先生なんてカッコよくない!って言ってたくせに。
さらりと認めてしまっている今の自分が、ちょっとおかしかった。