『(昨日のロールケーキはヤバかったなぁ…)』
ああ、思い出すだけで幸せな気分になれる…。
頬杖を付きながら、あたしは顔がにやけるのを感じていた。
…先生と、秘密のお茶会。
昨日は甘さ0のシュガーレスな関係だと思ってたのに。
今はこんなにも、放課後が待ち遠しい。
『(まだ4時間目かぁ…)』
はぁ、と溜息を吐くと目の前に華苗が立っていた。
その笑顔は、相変わらず綺麗だ。
『華苗!』
呼び方が違うのは、昨日3人で決めたこと。
本当に親しくなったんだから、よそよそしい壁はなくそうって。
2人から提案してきてくれたことが、とてつもなく嬉しかった。
晴れてあたしたちは、親友になったわけだ。
「……あらあら。春姫ってば、もしかして恋患いかしら?」
にまーっと嫌味な笑顔を向けてくるのは、いつのまにか横に立っていた繭。
いつのまにか机の周りには3人が集まっていて、無性にそれがおかしかった。