思わず感嘆の声を上げたあたしを見て、蕪城先生は満足と言わんばかりに笑みを浮かべていた。
いやでも、これ…!
「どうだ?驚いただろう」
『はいっ!!先生、すごいですね!』
昨今ではかなり知名度を上げている、コンビニスイーツ。
少しばかり値が張るものの、味の方はお墨付き。
手軽に買えてプチ贅沢を味わうことができるため、あたしのバイト先のコンビニでもスイーツは売れ行きが良い。
そして最近、人気ナンバーワンのコンビニスイーツがあった。
その名も、ふわとろ絶品ロールケーキ。
“ザクロ”という、変わった名前のコンビニにしか置いていない商品。
口に入れた瞬間にとろけてなくなるとまで言われている、有名すぎて手に入らない幻のロールケーキだ。
『な、なんでここに…!』
は、初めて見たっ!
うわあ、めちゃくちゃ美味しそうなんだけど…!
「これが、俺からの要求。…コンビニスイーツを食べる仲間が欲しかったんだ。これから毎日、付き合え」
先生は自分で言って照れているのか、少し顔を赤くしていた。
スイーツ好きなんだ、意外かも…。
なんか蕪城先生…可愛い。
『は…はいっ、喜んで!!』
あたしは迷うことなく、頷いた。